2023年コミティアの出来事まとめ

2023年コミティアの出来事まとめ


年の瀬が近づいてきたので、そろそろ今年の振り返りをしなければと思ったら、今年のコミティアのことについて宣伝以外何も書いていなかったことに気がつき、慌てて今キーボードをカタカタ打っています。
実を言うと、今年は2回しか参加できておらず(この一年は色々あって…そのことについては明日の振り返りでまた綴る予定です)、もっと出たかったという少し悔いの残る一年となってしまいました。

とはいえ、参加したいずれの2回もとても楽しかったので、そこは100点あげたいところ。というわけでコミティア振り返ってみます。

コミティア144

5月のGWに開催されたこのコミティア、実は自分の中では一番思い出深いものとなりました。というのも今までで最も準備が過酷だったからです(笑)。

ひょんな思い付きが自分を追い込む

開催からだいたいひと月半くらい(3月中頃)前の段階で、『アナザーボイス』というまんがを描いて出したいな、と思い立ちました。作業自体はひと月足らず本来の仕事と並行しながら完成させなければならず、4月の間はずっと朝5:00に起きて約2時間の朝活、そして深夜も作業の強行スケジュールだったため、終盤あたりはかなりヘロヘロな状態になっていました。そもそもパッケージとしてまんがを描くこと自体初めてという自分が、本当に描き終えられるのかーー、常に不安がつきまとっていたのも本音です。

女神の救いの手、渡せないお礼

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今思い返せば、こんな無茶なスケジュールの中、よく完成できたなあと思うわけですが、実はとても心強い方がこのまんがの執筆に協力してくれました。

この『アナザーボイス』は話の展開の中で、どうしても欠かせない演出があって、それは今まで絵しか描いてこなかった人間にはどうにもできない仕事で、困ったどうしようと悩んだ結果、できないならプロにお願いするしかないと思い、以前『Grieve』のMVでご一緒にお仕事させて貰ったシンガーソングライターのさんにダメ元でお願いしてみたところ、快く引き受けて下さりました。流石にこのときは日照りに慈雨を得た思いで、涙が出ました。珀さんがいなかったらきっと『アナザーボイス』は出せなかったでしょう。

満を持して参戦したコミティア。まだ5月初旬ということで、半袖は寒いかなと思ってたら、会場の熱気が凄いーー。半袖で正解でした。
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運よく通路端のスペースということもあって、フラッグが目立っていたのでしょうか、普段よりお客さんが多かった印象です。GWだから全体的に多いというのもあるかもしれませんが、色々な方とお話ができて非常に楽しい時間を過ごせました。実に10年近く会っていなかった方も訪れたりして驚いたりも(一瞬誰か思い出せず、その節は本当に失礼しました…)。

とりわけ、一番印象に残ったのは、ご家族と一緒に訪れている中学生くらいの女の子が、僕の画集を手に取って黙ってじっと見入っていたら、お父さんらしきほうが「それがいい?」と尋ねると、娘さんのほうは「うん」と頷いたので、さっと財布を出すや、画集を買っていただき、娘さんにプレゼントしていました。

ああーー、すごく尊い瞬間を目の当たりにした気がする。
こういった自分の想像を超えるようなやり取りが、目の前で交わされるから、本当にコミティアはやめられない!

兎にも角にも、順調に出している物は売れていき、何人かの方と仲良くなれたりと、いつも以上に充実したコミティア144でした(家に帰ったら、達成感とひと月分の疲労で爆睡していました)。

めでたしめでたし、と言いたいところだったのが、今回のコミティアひとつだけ心残りが。
今回目玉の売り物にしたかったまんが『アナザーボイス』に協力していただいた珀さん、スペースに来ていただけるということで、それならちゃんとお礼とか準備しないと、ということでお礼の品などを用意していたら、当日ご本人から体調が悪くなって行くことができないという連絡が…。体調不良では仕方なし…、お大事にしてください、と回復を願うものの、少し寂しい気持ちを背負いながらの参加となりました。
それから一夜明けて大事なことに気が付く自分。

「お礼渡せてないじゃないか」

コミティア145

時は流れ9月になり、コミティア145が開催されることに。僕の中で『アナザーボイス』の熱量がまだ残っているので、もうちょっと宣伝したいなと思い、今回も参戦することに。
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『アナザーボイス』の熱量はある一方で、そろそろ2作目の画集『async』がなくなりそうなのと、スペースの装飾にも一役担っているキャンバスアートが瞬殺で売れてしまうため(大変有難いことではあります)、これではスペースが寂しくなってしまうな…と思いました。

というわけで、新しくトートバッグを作ってみることに。
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前から新しいグッズ自体は作りたかった一方で、率直に言って、自分が描く絵は普段使いにできるようなデザイン素材には向いてないと思っていたため、色々案を出しては頓挫していましたが、荒い布系の素材に荒い筆致でリデザインしたら上手く行くんじゃないかと思い、今回はトートバッグに目をつけたという経緯です。
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こんな感じで布に印刷されたときの感じをイメージしながら、リデザインする作業もなかなか楽しかったです。

何か忘れ物をしている

さて勘のいい読者の皆さんは何かに気づいているのでは。
渡せなかった珀さんへのお礼はどうなっているんだ、と。
実はここにて機会に恵まれます。今回のコミティアには来てくれるとの連絡を頂きました。
正直、安堵しました。この渡せない宙ぶらりんの品をどうしたものか、ずっと悩んでいたので。
ようやく自分の中にあった胸のつっかえが取れて、晴々とした気持ちでコミティアの準備を行なっていたら、矢先、前日に珀さんからまた連絡が届き、急きょライブのリハーサルが出来てしまい、行くことができません。とのこと。
ご本人もとても申し訳なさそうな様子…。
僕的にはごもっとも、変な気遣いは無用というべきか。ミュージシャンにとってライブは命の次に大事なことだ。そのリハを蹴ってまで来ることはない。十二分に納得できることでしたので、良いという感じだったわけですが、問題はこの渡すことの出来ないこの品ーー、本当にどうしよう。

当日

結局胸のつっかえが戻ってきてのコミティア参加です。
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トートバッグが新鮮。こういうものがあると賑やかになりますね。
開始時間前に堅貝さんがお越しいただいて新しいまんがを献上してくれ、すごく嬉しかったのと、お隣のスペースのゴロ推男爵さんが、実は前回のコミティアで僕の画集買っていたと、驚きの事実が判明したりと、初っ端からサプライズの多い展開でした。

今回もいつも通りの繁盛ぶりという感じで個人的には十分満足でした。
ひとつ気になるところがあるとすれば、グッズと画集を秤にかけると、画集のほうが圧倒的に売れていて、そもそもスペースのジャンルがイラストだからというのもあるのでしょうが、出来ればもうちょっとグッズの認知を上げていければと思っています。この辺りはアピールの仕方も問題か。
それから、キャンバスアートが即完売してしまうので、今後はもっと作ってもいいかもしれない(いかんせん原価の高いグッズなので、おいそれと大量に作れないのがネック)。

というわけで、2回しか参加できなかった今年のコミティアですが、とても楽しく充実した時間を過ごすことができました。色々と絡んでくれた方々、本当にありがとうございました!

何か忘れ物をしている(二度目)

分かっています…。珀さんへの礼品はどうなったのかという件についてです。

結論から言いますと、ちゃんとお渡しすることができました。
コミティア145が終わった1週間後、渋谷のタワーレコードにてライブが開催されまして、そちらに招待された際、ようやく渡すことができたのです。三度目の正直。


これで本当に本当にホッとしましたーー。ライブが開催された日は9月8日ですが、色紙のサインが二つ前のコミティアの日付になってるのはどうか目をつむってください。
その節は本当にありがとうございました!

思い返してみたら気づいたこと

これは別に展示の内容とは関係ないのですが、今少し気づいたことがあります。
ここ数年僕がコミティア、コミケに参加した日は必ず晴れているということです。さらに、天気予報ではそこそこ悪い予報を出していたにもかかわらず、当日蓋を開けてみたら、しっかりお天道様が顔を出しているという。
おかげで傘を差しながら思いケースを運ばずに済んでおり、有難いことではあるものの、さすがにここまで確率が良いとなると、晴れ男を自称してもバチは当たらないかもしれない。

来年に向けて

そろそろ新しい画集も出したいため、来年も意欲的に参加したいと思います。おそらく5月には。
それでは来年もまたお逢いしましょう。よろしくお願いします!

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