今年描いた絵で2022年を振り返る-前編-

今年描いた絵で2022年を振り返る-前編-


どうもこんにちは。年の瀬になると、ここで一年の振り返りを書いているわけで、今年もそんな時期がやってきました。ただ、毎年同じ形式で書いていくのも、変わり映えがないので、今年は少し趣向を変えてみて、この一年間自分が描いてきた絵について、少し回想録的に語ってみようと思います。

本当のところを言うと、実は絵の解説というのは、今まで販売してきた画集の中に書き記してまして(スペースの都合上僅かながら)、できればそれは、購入してくださった方の特典という位置付けにしておきたかったわけです。

image読めそうで読めない程度の解像度で載せておく
ただ、ちょっとここだけの話、来年から初めてみたい企画の仕込みというか準備というか、その練習も兼ねて、今回は、画集のほうとは別切り口で、極力情報を被らせずにまとめてみたので、画集を持ってる人でも持っていない人でも、楽しめる内容になっています。結構長くなりそうなので、前編・中編・後編の三部構成で綴ろうと思います。どうぞ、最後までお付き合いください。

残光

2022年の書き初めはこの絵でした。

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新年早々、ポストアポカリプスな情景とは…。ただ情景とは対照的に、女の子は表情は笑顔にしてみたのは、彼女の取り巻く環境は「絶望」的でも、内には「希望」的な要素があるんだ、という意味を籠めて描いたわけです。それはなんですか?と問われたら、答えは絵の左側にありますよ。というわけです。
もう一つ、「希望」という語彙をきっちり表現すべきなら、タイトル通り「残光」つまり日の光をかなりオーバー気味に当てたほうがいいな、と思い、ちょうど太陽の位置に円形のグラデーションオーバーレイをかけると、ガッと強めの光をいい感じに当てることができます。

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このやり方は、結構他の絵でも使っていて、街灯や機器のLEDの光の表現などに役に立っています。
ブレンドモードは、オーバーレイ系が周囲と馴染みやすく親和性がいいです。今回はビビッドライト44%あたりにしています。

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green

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雑居ビルのベランダで植物を育てているシーン。画集のほうでも記載したのですが、この絵には色々含みを入れていて、よく観察して見ていくと、解釈がどんどんと深掘りされていく仕掛けを籠めています。本来はそこも語るべきなのですが、きちんと説明しようとすると、かなり長くなってしまうため、今回は割愛させて頂きます。もしかしたら、感性が鋭い人というか、文脈を読み取るのが得意な人だったら、すぐ気づくかもしれないですね。そういった解説も来年あたりからやっていけたら…!

ちなみに、この絵は最初から最後まで全部同じブラシで描いてみました。ブラシを切り替えるコストが減るのと、ザクっと描いたような、勢いのある筆致が残る感じが良くて、良いことだらけだと思いました。
あと、自分が描くは絵は、「CGじゃない絵っぽさ」すごく大事にしたいため、ディテールは詰めても、できるだけ平面的にのっぺりして欲しいので、レイヤーは極力、数を減らして描くようにしています(レイヤーを多用すると、例えば物と背景との境界で、人為的ですごく不自然な境界線ができてしまうからです)。今回は思い切って、線とか塗りを分けず一枚レイヤーにまとめて、最小限、手前か奥か程度の分け方にとどめています。

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今後は、腹を括って、全てを一枚だけで描いても面白いかもしれないですね。

remains

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remain、辞書で調べると動詞で「そのままでいる」とか「残っている」という意味なのですが、remainsと後ろにsが付くと名詞になり「遺跡」とか「残骸」という意味になります。要するに廃工場跡。
この絵はあまり深く考えず、工場の配管やフレームが描きたいとぼんやり考えながら、組み立てていったという感じです。
下というか、地上部分をごちゃごちゃ描いた場合、空は出来るだけ抜けた感じにするよう心がけています。あまりここで雲とか細かく描いてしまうと、結局どの部分が絵の中で主役なのか、分からなくなってしまうので。
結構シンプルな割りに、構図はいい感じだと思ったので、今年のイベント展示ではフラッグになってもらいました。いい仕事してくれた!

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放課後

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自分の中で勝手に「音楽制作シリーズ」と呼んでいる絵。でも、今年はこれしか描けず悔いが残っています…。一応ドラムの絵は描いたけど、電子楽器というか制作機材が描きたい!

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このシリーズ、固定の人物(右目に泣きぼくろがあります)中心で描いていたのすが、今回は珍しく高校生の女の子。
こう一心不乱に、何かに熱中して取り組む、という姿勢は、実は10代くらいのこの時期が一番すごいんじゃないかな、と思っています。吸収力も段違いに早いし。そんな集中を絶やさないような、真剣な表情に気をつけながら、描いたのを覚えています。彼女めちゃくちゃかっこいいと思っています。

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ちなみに後ろのテレキャスター、水色にしようか悩んだけれど、全体が暖色にまとまっていて、PCのモニターのところで、アクセントカラーを使ってしまったために、断腸の思いで赤に(もちろん赤もかっこいいけど)。いつか描くぞ水色は!

Neon signs

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番外というか、これは練習で描いた絵。Twitterにしかあげてなかったので、Pixivだけ見ている人にとっては、初めて見る絵かもです。
だいぶサイバーチックなSFの世界が入っていて、某映画の世界観そのままという感じです。ただ、その映画の絵作りというか映像が首尾一貫して凄かったので、こんな感じの世界作りも掴んでいけたらと思っています…!

というわけで今回は、ここまでです。

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