今年描いた絵で2022年を振り返る-中編-

今年描いた絵で2022年を振り返る-中編-


昨日に続いて、2022年に描いた絵について振り返っていきます。
前回特に何も言っていなかったので、一応補足で説明すると、バラバラで振り返っているわけではなく、時系列順で説明をしています。前回が1〜3月あたりに描いた絵で、今回は4〜6月です。

alive

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なんとなく、未来の生命研究施設みたいなものを描いてみたくて、仕上げた一枚。
きっとこういうガラス張りだと、圧力分散のために、円形のトンネル状にするのが正しい姿だと思うんですけど、SF感を出したくて、八角形を半分に切ったような構造にしてみました。SF感といいつつ、配管周りはやたら古風、そのあたりのギャップも多少狙っていないと言えばウソになりますが(笑)

それはさておいて、このアングルからの海の生き物っていうのが本当に難しくて(ふだん水族館だって、真ん中正面が多いでしょ?)、「あれ?魚の腹ってどうなってるんだっけ…」とか、そんなところでつまずいてしまい、結果的に、本当に描きたかったイメージには近づけられずに、半リタイアみたいな感じで完成させたのは、悔いが残っています。リベンジしたい……!

あと、どうでもいいことを綴るとすれば、この絵のせいで「作業着」と「女の子」の組み合わせという、ニッチなところに目覚めたので、今後も増えそうですよ。断言します。

痕跡

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けっこう自分の中では珍しい部類の一枚です。純白のワンピースなんて描いたことない!どうなってんのあれ?という感じで、まあ、それは割とどうでもよくて、まず、廃墟の中にポツンとできた池を描いてみたいな、というところからスタートしたものの、水面に反射したものを描いたほうがいいのか、水底を描いたほうがいいのかで、結構悩んだ記憶があります。結局、水面を描くほうに倒したわけですが、「これより下は水の中ですよ」という境界表現が、案の定難易度が高くて、水面に波紋とかを走らせてみたものの、もうちょっと、しっくりくる表現を模索できそうだと思いました。

これもまた再挑戦したいところです……!

埠頭の風景

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わりと僕は、風景と手前に足が見切れた人物という構図、いわゆるアドベンチャーゲームでよく見る構図は、極力避けるようにしています。
理由はふたつあって、ひとつは、本当に上手く描かないと、絵というよりは単なる状況説明の図に陥ってしまいやすいのと、もうひとつは「風景描いたけど、寂しいから人物置きました」みたいな誤魔化しがいくらでも出来やすいからです。熟考した結果、この構図でないと上手く伝えられないというのと、前者とでは雲泥の差なわけです。目の肥えた鑑賞者なら、前者にはかなり悪い評価を下すと思います。

で、この絵がそのアドベンチャーゲーム構図というわけですが、これについては、もう開き直って、バランスと自然な馴染ませに徹しよう、ということにしました。長いこと絵を描いていれば、こういった構図も2,3回は生じてしまう。

そういえば、Pixivのほうで、コメント欄に『埠頭の作業員「ユー、ここは関係者じゃないと入れない、今すぐフェンスから出てってほしい」』っていう妄想、いや空想文を描いてくれた人がいて、クスッとしてしまいました。面白いの考えてくれる人がいたら、こういう場で採用しますので、どんどん書いてください。

路地の灯り

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GoogleMapが近道って言うから、とその通りに進んだら、なんかやばそうな路地に足を踏み入れてしまった。そんなところでしょうか(笑)。店の女の子と思われる子の睨んだような表情が、個人的に上手く描けたと思っています。

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というのも、単に睨んだ表情というか、瞬発的に発生した睨み顔というのは、こういう感じとは少し違うと思っていて(さじ加減な表現で申し訳ないのですが)、少しこの子はこちら側を見て、何か頭の中で思考しているーー、それを表情に出すことが出来たいうことです。いわゆる「含み」です。
では、この子はこちら側を見て何を思ったのか、この場では綴ることは控えますが、色々想像してくれて構いません。

  • ここは、あんたみたいな人が来る所じゃない。
  • 休憩中、外にタバコ吸いに来たら素な格好を見られてしまった。

とかーー。
別にここで正解が何か言うつもりはありません。でも、こうやって絵を見て、あれこれ想像を膨らましてくれると、描いている側としてはとても嬉しいので、どんどんこういうことやってもらえたら、と。

淡い記憶

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最後におまけというか、モノクロの軽めに仕上げたかった一枚です。モノクロというよりはセピア調、むしろこういう色味のほうがタイトル通りになっていて、いい感じになったのではないでしょうか。
そして、冒頭のaliveの絵でも言及していた、作業着と女の子の再来です。可愛いしカッコいいと思いますよ本当に。

本日はここまでです。残るは最終回、お楽しみに!
後編へ


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